平成3年に家を建築して既に18年が経過しました。築10年目の平成13年に屋根だけは業者に依頼して塗装しましたが、 それからも既に8年が経過しました。一般的には再塗装は8〜10年後などと言われているので、改めて全面的な塗装をしなければならない時期に来ています。 そこで、塗装に関しては全くの素人ではありますが、定年になって自由時間が得られたので、勉強しながらDIYで全面的に塗装をすることにしました。
軽量鉄骨大型パネル構造総2階
建て面積73u(9.4m×7.4m)、 延べ面積146u、 軒下高さ5.6m
屋根は寄棟、石綿セメント板葺、軒下出長76p 換気用化粧煙突あり
外壁はセメント材にリシン吹付け
油脂塗料の価格と耐久性
家庭用塗料としてよく使われる合成樹脂系の塗料と性能の関係は図の通りである。一般的に塗料には、水性(水系)と油性(溶剤系)があり、
大まかに言えば水系は溶剤系に比して1ランク劣るといわれる。
溶剤系は1液型と2液型があり、 2液型はベース剤と硬化剤が別個になって塗装直前に混ぜて使用する。従って2液型は手間暇がかかるが1液型よりも性能が良い。 また溶剤系には弱溶剤と強溶剤があり、家庭用塗料としてはあまり臭気が強くない弱溶剤が使われている。
DIYであれば手間暇がかかることは全く問題ないので、面倒であっても性能の良い弱溶剤2液型のシリコン系の塗料を使うことにした。 正価は一斗缶(16キロ)が5万円弱だが、通販で概ね半額で買うことができた。
部位 | 材質 | 面積(u) | 色 | 下塗り | 上塗り |
---|---|---|---|---|---|
屋根 | コロニアル | 110 | 黒 | Mシリコンプライマー | ヤネMシリコン |
屋根・棟 | スチール | 20 | 黒 | ザウルスEX | ヤネMシリコン |
外壁 | セメント版・リシン | 120 | ベージュ | エポMシーラー | セラMシリコン |
外壁 | セメント版・リシン | 120 | ベージュ | アレスホルダーGU | セラMシリコン |
軒天 | 石膏ボード | 50 | 白 | なし | ビルディク |
破風 | 硬質セメント板 | 15 | 茶 | 密着バインダー | セラMシリコン |
唐草 | スチール | 10 | 茶 | 密着バインダー | セラMシリコン |
胴差し | 塩化ビニール | 20 | 茶 | 密着バインダー | セラMシリコン |
水切り | スチール | 5 | 茶 | ザウルスEX | セラMシリコン |
樋 | 塩化ビニール | 40 | 茶 | 密着バインダー | セラMシリコン |
雨戸・表 | スチール | 30 | 茶 | ザウルスEX | セラMシリコン |
雨戸・裏 | スチール | 30 | 白 | ザウルスEX | ビルディク |
品名 | 塗り面積(u) | 缶当り塗り面積(u) | 所要数 | 費用(※1) |
---|---|---|---|---|
Mシリコンプライマー | 110 | 40〜80 | 2 | 20,600 |
ザウルスEX | 85 | 123 | 1 | 4,100 |
エポMシーラー | 120 | 100 | 2 | 18,400 |
アレスホルダーGU | 120 | 30〜50 | 3+1(※2) | 14,600 |
密着バインダー | 140 | 100〜200 | 1 | 18,000 |
ヤネMシリコン(黒) | 130×2回 | 100 | 3 | 53,700 |
セラMシリコン(べ) | 120×2回 | 124 | 2+1(※2) | 61,800 |
セラMシリコン(茶) | 125×2回 | 124 | 2 | 49,400 |
ビルディク | 80 | 150 | 1 | 8,400 |
塗装用シンナー | 2 | 6,400 | ||
合 計 | 255,400 |
(※1)通販で購入した価格。正価はおおむねこの2倍
(※2)途中で足らなくなったので追加発注した。
インターネットに多くの施工例が出ているし、塗装業者によるホームページもたくさん掲載されている。多くの画面を見たが特に参考になったのは曽根塗装店のホームページだった。
http://www.sone-tosouten.com/index.html
孟宗竹の切出し
単独で実施する塗装作業では工期が
数か月になる。業者に足場を組んでもらう場合、ある見積り業者のホームページによれば工期約2週間で1,000円/uと書かれている。
我家の例で計算すると、
外周(9m×2+7m×2)×高さ(6m)=201u
これに単価1,000円をかけると20万円となる。
更に工期を加味すると大変な価格になるので、業者による足場の設置は対象外とした。
自分で組立てられて、
かつ終了後の始末のしやすさを考えて孟宗竹で足場を組むことにし、友人に竹を譲ってもらった。
孟宗竹の足場・基本ブロック
竹は成長の止まる晩秋から初冬に切るものだが、作業時 期の関係で4月に切り出したため、水分を含んだ重い竹になってしまうが止むを得ない。分量を節約するため家の四周には作らないで、1面ごと組立て・ 分解を繰り返すことにしたので約50本の竹を切り出した。
足場の組立ては全て一人で作業するため、重い竹を安全に効率よく組むための工夫が必要だ。家とフェンスの約1.5mの隙間に、 1本ずつ竹を立てて仮止めをしつつ角材で固定して基本ブロックを組立てる。 これを家の1面幅になるよう連結する。足場は3層になっており、実際に乗って作業する足場台も節約のため1層分を準備しそれを使い回した。2層目と3層目は安全のための手すりを回し、 最上部にはネットを張るため柵用の角材を設置した。
南面の足場、これを4回作る。
足場全体では奥行90p、幅7m〜10m、高さ6mのとても扁平な形をしているので、倒壊防止に苦労した。 両端をロープで引っ張るほかベランダや窓などを利用して固定したが、鉄製の足場に比べればかなり揺れるので、風が吹く日はネットをたたむなどの処置をした。
ネットは周囲に対する美観のためにも重要であるが、屋根など高所での作業では視界を遮って恐怖心を軽くする効果がある。 6mに自分の背丈を加えた高さはかなり怖いものでネットがあることでとても安心感が生まれた。