人生の余り道  (吹矢を楽しむ)

第18回涸沼杯


第18回いこいの村涸沼杯が2023年12月21日(木)に実施された。新型コロナの五類感染症移行にともない募集対象を茨城県以外にも広げられたため、茨城県を中心に宮城県、栃木県、千葉県から57名の参加があった。


コロナ禍以来の4年ぶりにお会いする方も何人かあり、皆様それぞれ旧交を温め、緊張する試合の場ではありながらも和気あいあいの雰囲気であった。


私個人については、昨年の夏に坐骨神経痛を患って以来左の腰から脚にかけての脱力感が吹矢に影響しており、週3回のリハビリで大分改善したとはいえ納得できない状況が続いている。


更に悪いことに、11月中旬に吹いた直後に筒が歯にあたって前歯を真っ二つ(左右ではなく前後に)に割ってしまった。歯科医院に駆け込んで歯科用セメントで接着してもらったが、暫くのあいだ吹矢を禁じられたため全日本選手権には申し込んだものの参加はできなかった。


根本的な治療には数カ月かかるとのことだったが、早く練習を再開したいので歯は接着したままの状態で、衝撃が直接歯に伝わらないようにシリコンマウスピースをはめて、少し力を緩めて吹いている。


そんな状態での涸沼杯だったので、どの程度試合に通じるのか試すような気持だった。結果は、第2ラウンドで27点を出して「やっぱりダメか---」と思いつつも、他のラウンドが33点以上だったので合計194点となり幸いにも優勝した。


第2ラウンドの失敗について、いつもどおり吹いたはずなのに第1矢が上に飛んだ。納得できないまま吹いた第2矢は下に中った。第3矢は7点だったが第4矢が下の3点圏に、そして第5矢は7点だった。


吹く際には「いつもどおり、いつもどおり」と心の中で呪文のように唱えているが、第1矢が上に飛んだ途端に平常心を失くしてしまった。


実は、力を緩めて吹くようになってから筒のブレが小さくなって命中率が上がっているように感じていたので、第1矢が上に飛んだのが全くの予想外で気が動転してしまったのだろう。


普段の練習で心掛けていることは、1本吹く度に何がよかったか、何が悪かったかを必ず自問している。吹いた直後に視線を的に残し、外したのは何が原因だったのか決める。原因はいくつかあるだろうが、優先する一つに決める。


次の矢では、その原因を直すように集中して吹く。何度か繰り返しても改善できなければ別の原因をあてはめてまた試してみる。すると次第に自分の悪いところが正確に見えるようになる。

中っても外れても無目的に吹き続けるのでは向上は望めない。


私の場合、直すべき原因は次の6項目になる。これをチェックリストとして頭に入れて練習すれば、何が悪かったか原因を容易に見出すことができる。

1) 吹くタイミングが早い

確実に的付けをして、丹田に息を落としきる

2) 的付けが定まっていない

利き目(右目)で見て、筒先を的の定まった位置に見出す

3) 決まった量の息を吸い込んでいない

むせない程度に胸一杯に息を吸い込む

4) 息を丹田に落とす前に胸で吹いている

吸い込んだ息を丹田に落としていることを意識する

5) 一瞬で吹いていない

矢は120センチの筒を約0.04秒で飛び出すので、丹田を叩くように吹く

6) 吹いたあと筒が動く

吹いた直後は筒を動かしてはならない


この文章を書きつつ第2ラウンド第1矢が上に飛んだ原因を考えてみると、1)であったように思う。私の場合、基本動作5の際に「筒を上げる」と「的付け」の2段階に分けて息を定量にしているが、的付けが不十分なままで息を丹田に落とす前に胸で吹いたのだろう。


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