人生の余り道  (吹矢を楽しむ)

新しい矢の比較(その2)


2021年2月、公認の吹矢用具を販売するフキヤラボから新しいカスタム矢が販売された。矢の消耗する最大の要因は、撥ね矢によって矢の切口の部分に傷がつくことにあったが、先端部はまだ十分に使用に耐える。そこで無駄を省くため、傷ついた後部(ウイング)だけを交換できるよう工夫されている。


先端部(ヘッド)は金属を嵌めたプラスチック製で堅固に作られており、更にウイングを金属のねじで接合するため先端部位がやや重くなっている。同社の商品カタログには、この矢の特性について、重心位置と重さが図入りでとても解り易く解説されている。


現在私が使用している矢は、フキヤラボが販売している4種類の矢と、22年9月30日まで公式行事に使用できるビッグサクセスの旧矢を加えて計5種類ある。日常的に使用しているので、それらの矢がどのような特性を持っているか分析した。


矢の重心を比較

矢の重心は、矢を一点で支えた時に左右のバランスが取れる位置となる。そこで、5種類の矢を定規のエッジに置いてバランスが取れた状態で重心位置を比較すると、エッジと矢の先端の距離が短いほど重心が前に存在することになる。


結果は左の写真のとおりで、最も重心が先端寄りなのはカスタム矢5mm、最も後方なのは旧矢であった。


矢の重さ

フキヤラボのカタログには、『吹く息があまり強くない方には重心位置が後ろ寄りの軽い矢の方が、飛びやすくなる』とあり、状況によってはカスタム矢3mmも推奨している。


1/1000gまで測定できる左の器具で矢の重さを測ったところ、最も重いカスタム矢5mmは0.869g、最も軽い旧矢は0.794g、他の矢はその間の重さで、5種類の矢の最大の差は0.075gだった。




そこで今回の分析では、重心位置が最も離れかつ重さも最も差のあるカスタム矢5mmと旧矢を使用して実際の飛び具合を比較した。


矢痕

カスタム矢、旧矢ともに6ラウンド30本を吹いた。

完全に同じ条件で矢が飛んだとは言い切れないが、努めて同じ飛び方になるよう実施した。

その結果が左の写真である。


カスタム矢、旧矢ともに7点圏はほぼ均等に、5点圏もおおむね周囲にバランスよく中っており、矢の種類による影響はほとんど認められない。


結論は、私にとっては、重心位置や重さが多少異なってこのも5種類の矢であれば区別する必要はない。実際に普段の練習では矢を混ぜて使用することもあり、違和感を持つことはなかった。


しかしながら人によって吹く強さは異なる。強い矢は直線的に飛ぶし、弱い矢は放物線を描いて飛ぶ。今回「矢の種類は関係ない」と結論付けたが、それぞれが矢の重心、重さにどのような影響を受けるか十分に把握して、自分に合った矢を選び、矢に合った吹き方をする必要がある。


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