■第13回涸沼杯
新型コロナウィルスの流行で、2月以降全ての競技会が中止になっている。そんな時に、いこいの村涸沼から「第13回涸沼杯」の開催案内が送られてきた。対象を茨城県に限るなどいろいろ検討した上での開催で、こうした競技会は中断以降全国的にも初の試みとのことである。
支部の皆さんも待ちかねていたようで、これまでで最多の9名が参加を申し込んだ。結局、参加者は41名、三密を避けるために約20名の2個ブロックに分かれて入れ替え制で実施され、皆さん久し振りに緊張感に浸り十分に楽しまれたようだ。
結果は、幸い私は10mの部で優勝することができた。支部では6・8mの部で準優勝するなど6名もの方が10位以内に入賞した。表彰式の後は涸沼杯の特徴である懇親会が、十分な間合いを保持しつつ実施された。
■基礎練習
懇談の中で、コロナが原因で満足な練習ができなかったと話される方が多かった。そこで、少しでも参考になればと考え私の基本的な練習法を紹介します。
自宅では、10mでほぼ毎日、朝・昼・夕に計100本前後は吹いている。10mを取れない方は、9mでも8mでも良いから毎日的に向かう習慣を持つことが技量の向上にはとても大切なことだと思っている。
かつて巨人軍にいた松井秀喜選手は練習が終わって宿舎に戻ると、打撃に必須の素振りを畳が擦り切れるほど練習したという。吹矢でも同じことが言える。
吹矢が上達するためには、簡単に言えば次の3つの要素がある。
@ 道具を良い状態に維持する
A 正しく狙う
B 一定の力で吹く
3番目の「一定の力で吹く」ことはとても難しいが、何時でも何処でも鍛錬できる。吹矢は肺活量が重要だと言う方もあるが、私は、最も重要なのは腹筋、それもボディビルのような腹筋ではなく、吹矢独特の「瞬発の腹筋」と考える。
その理由は、矢速を120Km/hとした場合、矢は120pの筒を約0.04秒で通り抜けてしまう。
HP「余り道」の吹矢・理論編を参照
同じ力で吹いた場合、左図の通り0.1秒で吹くと過半の力は無駄になってしまうが、0.04秒以内であれば全ての力を利用できる。即ち、「強い力」で吹くよりも、少し弱くても「瞬息」で吹くことで「強い力」以上の矢を飛ばすことができる。
次に、狙った通りに矢を飛ばすためには筒を動かしてはいけない。ところが胸に吸い込んだ息を胸(肋骨筋)で強く吹くと、胸⇒肩⇒筒が動いて矢の精度が落ちる。それを避けるため、吸い込んだ息を丹田に落とし、上半身の力を抜いて肋骨筋を使わずに腹筋で「瞬息」を吹き出す。
私は「一定の力」で吹くための基礎練習として、朝はストレッチ、夜はエアロバイクで呼吸法の鍛錬を行っている。
・朝は、2種類の腹筋運動を60回と30回、そのほか筋肉維持のための腕立て伏せ60回、腰痛予防の柔軟体操など、約30分間のストレッチを実施
・夜は、エアロバイクを漕ぎながら丹田で強く息を吐く呼吸法を約20分練習
やり方は、2拍子で胸一杯に息を吸い込み、8拍子でその息を丹田に落として、筒が揺れないようイメージしつつ上半身の力を抜いて一気に吹く。
1分間に15回吹くので20分では300回、つまり300本の矢に相当する練習量となる。的があると的に意識が奪われて呼吸法の練習が疎かになってしまうが、この方法なら「瞬発の腹筋」を鍛えることに集中できる。
今までいろいろ試したが、エアロバイクを利用する方法が最も効果があると思っている。エアロバイクがない方は、立っても座ってもよいから唾の飛散防止のためハンカチなどを口前にかざして上半身の力を抜いて、2と8の拍子をとりながら丹田を叩く気持ちで一気に吹けばよい。
■ひたち海浜公園散歩
翌日は好天に恵まれたので、支部の皆さんと寄り道してひたち海浜公園のコキアを見に行った。
臨時入場券売り場が設けられるほどの賑わいで、大変広い公園をゆっくり一周して普段の運動不足を解消した。
コキアは、季節の移ろいと共に夏の青から次第に紅葉が進み、この時期の1週間が「赤コキア」として見頃の最盛期を迎えていた。
コキアの周辺には色分けされたコスモスが爛漫と咲いておりとても美しかった。