人生の余り道  (吹矢を楽しむ)

七段昇段試験に合格


七段位は2018年の創設20周年記念事業として創設された。審査は年に1回、協会本部で実施される。試験科目は、

@ 実技試験:6ラウンド 実技得点198点(210点満点)以上と基本動作37点(40点満点)以上を共にクリア

A 学科試験:実技試験に合格した者を対象

B 面  談:学科試験に合格した者を対象

となっている。


昨年の審査では2名が合格した。私も受験したが、残念ながら実技試験に通らなかった。青柳杯や全日本選手権では基本動作が十分ではなく、これまで37点をクリアしたことはない。平素の練習でかなり努力をしたつもりではあるが、何が悪いのか自分ではよくわからないので、再受験の意欲はあまりなかったが、試験日が近づくにつれて、今回を最後のつもりでまた受けようとの気持ちになった。


試験は、7月27、28日の2日間、東京・錦糸町の協会本部で行われた。私は、28日(日)午前の後半の組に指定され、10時過ぎに本部に到着した。試験場には的が4個設置されていたが、受験者は3名だった。昨年は、実技も基本動作も左右両側の各2名の審査員が、それぞれの側の受験者2名づつを審査したが、今年は基本動作については、4名の審査員全員が全受験者の審査をした。基本動作の審査は主観が入り込む余地があるので、審査の偏りを防止して公平性を保つためには良い方法だと思う。


もう一つ昨年と異なったのは、昨年度までは1ラウンドは「3分を目途」に吹けばよかったが、今年から「3分以内」に吹き終えていなければならない。3分を超過すると3分以降の動作は採点されないので、かなりの減点になり、これだけで基本動作で失格になってしまう。


練習では、多少の波はあるが200点前後の得点は取れているので、練習の重点を基本動作に置いた。協会から公表された「基本動作審査票」のチェック項目を忠実に実施するようにした。特に"9秒""6秒"など外見的に明瞭に評価される動作に関しては、メトロノームを用いて厳格に習慣付けるように心掛けた。


試験に臨み、昨年よりは落ち着いていると思っていたが、第1ラウンドは2本外しの31点、第2ラウンドも同じく31点、合格ラインの198点は各ラウンド平均して1本外しまでは許容範囲なのだが、既に4本も外したことになる。第3ラウンドは2本目を外した。その瞬間、"吹き急ぎしているな!"との感覚が頭をよぎった。


練習では、それぞれの動作を時間どおりにやると約2分55秒かかっていたが、少し早い。そうか、「丹田に息を溜め込む」ことができていないのだ。その後は、急がずに十分に注意しながら吹いたところ、4、5ラウンドは満点、6ラウンドは1本外しで何とか198点の合格点を取ることができた。基本動作は、「普段どうり」を意識して丁寧に実施した。結果は37点で合格だった。


学科試験は小論文である。参考書は何もないので、普段の練習で自分自身が悩み、迷っていること、あるいはいろいろな方から受ける質問などを参考に自分なりの考えを纏めた。「吹矢アラカルト」を書く際にもそうした習慣ができているので、小論文ではあまり苦労しなかった。面談では、率直な対談ができて、これからの練習にとても参考になった。

inserted by FC2 system inserted by FC2 system