人生の余り道  (吹矢を楽しむ)

自宅練習を効果的に

「自宅では十分な距離が取れないが、どうしたらよいか?」との質問をよく受ける。10mで練習したいのに8mしか取れない場合、7点圏を80%に縮小円(半径2.4p)を描いて練習する方もいるが、8mでこの縮小円に中てることは8mの練習でしかない。


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理由は、矢は放物線を描いて飛ぶため、8mの縮小円に中ったとしても、その矢は10mの所ではかなり下に中ってしまう。8mであっても10mで真中に中る練習をしなければならない。


左の写真は、8mに置いた的を、10mで吹く時と同じ狙い、同じ力で30本吹いた時の矢痕である。30本の矢痕はある程度のばらつきがあるが、その中心を割り出して半径2.4pの円を青で表示してある。


この位置は人によって変わらないので、新しい的紙の該当する位置に半径2.4pの円を描いて7点圏とすれば、この仮目標に中った矢は10mの的の中心に中ることになる。


◆説明にあたっての前提事項

〇吹矢の特性:射撃やアーチェリーでは照準具を使って目で直接目標を見て狙う。しかし、吹矢では照準具を用いず、また吹く口と的を見る目が上下・左右に離れている。吹矢の難しさ、奥深さはこの点にあると思う。

〇8mで吹く条件:距離が近いからといって弱く吹たり、狙いを変えての練習では意味がない。即ち、8mで10mと同じ効果を上げるためには、10mの時と同じ所を狙い同じ力で吹かなければならない。

〇右利きで、利き目が右として説明する。


◆矢の飛び方を横から見た場合
横から見た矢の飛び方

矢は放物線を描いて飛ぶので、8mに置いた的の中心Bに中ったとしても、その矢は10mでは中心から下のB'に落ちてしまう。10mで的の中心に中てるためには、矢は8mの的では中心より上のAに中ってなければならない。


◆矢の飛び方を上から見た場合

約45度の半身の場合、顔は45度までは曲がらないため左右の眼線は的に平行ではない。

上から見た矢の飛び方

矢が10m的の中心A'に中る時、利目である右目は筒の先端を見通した(赤線)Aを狙っている。8m的で10m的と同じ位置Bを狙う(赤点線)と筒先はP'にずれるため、矢は8m的のB'に中る(青点線)。


◆8mの的で中てるべき位置

側面図と平面図の両者を合わせると、8mで10mと同じ効果を上げるためには、正規の的にやや高く、やや左の位置に2.4pの円を描いてそれを7点圏として練習しなければならない。


それがどの位置かは、吹く強さ、半身の程度、身体的特性(口と眼、左右の目の間隔など)によって個人ごとに異なるので、上の写真のように実際に吹いてみて各人の位置を確認する必要がある。とはいえ、最初から正確にその位置を割り出せるわけではないので、おおよその位置を割り出して練習を積み重ねることで必要があれば小修整すればよい。


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