人生の余り道  (吹矢を楽しむ)

第3ブロック交流競技会 (筒の流れ防止について)


10月4日、楽しみにしていた第3ブロックの交流競技会が開かれた。約200名の参加者が、A(10メートル)とB(9メートル以下)に分かれて、平素鍛えた技量を競った。競技会は真剣にそして和やかに進み、私は最後の第10ブロックで出場した。


試矢3本でおおむねその日の調子を確認し、自信を持って本番に臨んだ。1本目、2本目は7点圏に命中。「平常心! 平常心!」と心に言い聞かせつつ3本目を吹く。「あれ? どうして?」、9時の方向1点圏に当たってしまった。狙いも吹く力も問題なかったはず。原因がわからない。動揺を抑えつつ残る2本の矢を吹き、合計点は27点となった。期待して臨んだ競技会ではあるが、3点圏でもがっかりするのだから1点圏では「ああ、今日は駄目だ!」。 幸い今日の競技方式は1ラウンドごと選手が交代するので、次の順番までに時間がある。気持ちを入れ替えて2ラウンド以降は何とかいつもどおり吹くことができ、結局4ラウンド合計128点となり、決定戦を経て優勝することができた。


これまでも競技会でよく目にするのが、昼食休憩を境に調子が変わって午前中に活躍した人が午後失速する例が多い。吹矢でよい成績を上げるためには、常に安定した点数をとることが重要だと十分に分かっていることだが、今日のような浮き沈みのある結果は反省しなければならない。とはいえ、今日の場合はどうしても原因がわからない。もしかしたら、矢に何か付いていたかまたは筒に小さな異物が入ってしまったのだろうか。対応策がわからないのでその矢を予備の矢と交換した。


どんなスポーツでも同じと思うが、吹矢で安定した結果を出すためには、突きつめれば基本動作に忠実であることに尽きるが、それだけでは普段の練習には役に立たない。基本動作について、自分の年齢、健康状態などを考えつつ、あらゆる細かい動作について「安定」に影響があると思われることを見つけ出して、一つひとつ克服していくことが大切だ。


競技会後、知らない方から「姿勢、筒が全く動かない。とても参考になりました。」とのお言葉をいただいた。私は、吹矢は単に的に当てるだけではなく、型・所作を大切にしたいと思っている。そのため「大きく、美しく、そして力強く」吹きたいと考えて、吹矢を始めた最初のころから意識して心がけてきたことなので、とても嬉しかった。


練習でもよく気が付くことだが、吹いた後に筒が大きく流れる様子が見られる。美しさにかかわることであるし、きっと命中率にも影響しているはずだ。特に吹く力が弱い人にとっては、矢が筒を離れる以前に筒が動き出している可能性が高くなる。命中率に影響を及ぼさないためには、筒を動かさないことに限る。


筒が動いてしまう原因と対策を考える。

左腕の支え方

本論でも記述してあるが、筒の真下に腕をもっていき、体と一体にして筒を支える。そのため、顔が左に向く角度を考慮しつつできるだけ半身(はんみ)を大きくとる。真下から体全体で筒を支えれば矢のぶれが小さくなるので、的の矢痕のぶれも抑えられる。あとは吹く力を一定にするよう努力して解決すればよい。(実は、これが難しいのだが-----)

腹で吹く

胸で吹くと必然的に上体→腕→筒が動いてしまう。特に筒を上げて狙いを定めてから息を吸うことは、胸で吹くことに直結するので絶対にやってはいけない。下腹と上体を別物のように切り離して、上体には力を入れないで腹の力で一気に吹く。ただし、あまりに強い力だとどうしても上体に影響するので、無理しない程度の強さで吹く。

確実に見送りをする

どこに当たったかばかりを気にして、筒の動きを注意していない。確実に見送りを行って、筒先の延長線で矢の当たり具合を見て、狙いが正しかったのかを確認する。筒が流れる人は、矢の当たり具合だけを見ているが、それは意味がない。仮に矢が左に外れても吹く時に筒が既に左に動いていれば、外れたことの原因は狙いではない可能性が高い。狙いを正確に判断するため見送りを確実にする習慣をつけることによって筒の流れを防止できる。そのことが結果的に命中率を向上させることにつながる。

多くの場合、自分の筒が動いていること自体に気づいていないようなので、練習では、補助者が筒の下に棒などを添えて、動いたことを実感させるようにするとよい。


命中率を向上させるためには、矢の管理、筒の清掃、狙い、吹く力などいろいろな要素があるが、筒が大きく動くことは外見的な美しさにもかかわることなので、まずこの点を確実に実施するよう努力していきたい。


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