人生の余り道  (吹矢を楽しむ)

第7回青柳杯


平成25年4月24日、墨田区総合体育館で行われた「第7回青柳杯」に参加した。3段以上が参加 する全国大会で、今回は約600名が参加して平素鍛えた腕前を競った。


試合は、予選と決勝ラウンドに分かれており、予選は1ラウンド5本(35点満点)で6ラウンド(21 0点満点)の合計得点で決まる。決勝ラウンドは予選通過上位8名によるトーナメント戦で戦われる。


午前の部が終わった昼食休憩時に午前中の3ラウンドの中間発表があった。なんと3ラウンドとも満点 で合計105点を獲得した猛者が表れた。本大会では初めてのことで、今回の大会のレベルの高さを物語るもので参加者一同驚きの 成績だった。私は99点で2位、6点もの差があるので1位は無理だろうが、予選通過は可能性があると思った。


いつものことだが、昼食休憩を挟むとツキががらりと変わるもので、午前中の上位者が調子を崩して 圏外に去ることが良くある。いかにその調子を午後に持続することができるかが勝負になる。


私は、午前中の3ラウンドとも4本命中していたので、調子は悪くはないと思っていたところ、 午後の最初の第4ラウンドが3本しか当たらない。ちょっと焦った。流れを立て直すため、外れた2本の矢を予備の矢と交換し、 「練習通りにやればいい」と自分に言い聞かせていた。その結果、残りの2ラウンドはかなり集中できて満点が2回続き、 合計200点で予選の最高得点であり、本大会の歴代タイ記録だった。


午前中満点だった人はどうなったか関心を持っていたが、残念ながら崩れたようで期待したような 成績ではなかった。

後でわかったことだが、この人は車いすの人で、身体的なハンディをものともせず、私など、というよりもこれまで誰も成し遂げる ことのできなかった午前中満点という成績を上げたことはとても素晴らしいことだ。


続いて男女別に上位8人による決勝トーナメントが戦われた。準々決勝にあたる4組がそれぞれ5本 を吹いて勝った4名が準決勝に進む。私は3本が命中したが、相手は4本だったようで、残念ながら決勝ラウンドの初戦で負けて しまった。


相手は予選8位で上がってきた人。決して見くびったわけではないが、あとで考えれば「絶対に勝つ、負けるはずがない」との 気負いが強く、的ばかりが気になって「いつも通り」の冷静さを失っていたように思う。後ろで見ていた仲間が「おかしかったよ、 いつもは絶対に動かない筒が上ずっていたよ」と話してくれたことからもわかるように、「欲」「勝への焦り」が出ていたと思う。 試合前から「いつも通り」「平常心」と何度自分に言い聞かせていたことか、でもできなかった。また未熟ということ、仕方ない、また 今度頑張ろう。


ところで、いつものことだが、試合の帰趨が明らかになると「関係ない人」は最後まで残らずにどん どん帰ってしまう。一般の観覧者はほとんどなく、選手を除けば同じクラブか家族の僅かな応援者のみの競技会だ。主催者側の「最後まで 応援してください」とのアナウンスも効果なく、決勝戦の頃は数十人の応援のさみしい中での試合になる。そこで本大会では主催者 側が工夫して、試合終了後に伊東温泉ペア招待券や吹矢用具の豪華賞品が当たる抽選会をセットしたところ、半数ぐらいの人が残ってい た。「ゲンキンなことだ」と思う向きもあるが、遠方から来る人も多いので早く帰りたい気持ちに勝る「賞品」が必要だということだ。


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