人生の余り道  (時の足跡)

最強のふたり


スタッフ

監督:エリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ

主演:フランソワ・クリュゼ(フィリップ)

オマール・シー (ドリス)

ストーリー

最強の二人

実在の人物をもとに作られた映画


大富豪のフィリップは、事故で首から下が麻痺してまったく自由が利かない。気難しいため介護人は1週間と持たない。


そんな彼が選んだのが、スラム育ちのアフリカ系のドリス。子供がそのまま大人になったような男だが、飾らないドリスの態度が次第にフィリップの心を開いていく。一方では、複雑な家庭環境で育ったドリスの、家族をめぐる笑いと涙を誘う人間ドラマが展開する。最後は、ドリスがキューピッド役を演じて、フィリップと文通相手の女性が結ばれる。

天真爛漫な介護者

昨年の第24回東京国際映画祭で最高賞を含む3冠受賞、フランスで2011年の年間興行収入No.1を記録した。更に欧米各国でも大ヒットを記録し、ハリウッドでのリメイクも決定している。余りなじみのないフランス映画で、俳優も日本では知られていない人たちだが、主役の二人がとても味のある演技をしている。


ドリスを演じたオマール・シーは、テレビで活躍する人気コメディアンだそうだが、映画でダンスを踊るシーンは、堅苦しい誕生会の雰囲気を和ませ、映画を見る観客も思わずうきうきさせてしまうようで、とても良かった。実はオマール・シーは、最初は恥ずかしがっていたが、音楽を聞くとひとりでに体が動き出し、1回で撮り切ってしまったという。


気になったこと

介護という場面を設定して、健常者と障害者ということだけではなく、人種や貧富の差も乗り越えた人間愛が感動的に描かれているが、ちょっと気になったことが2つ。


@ 原題「UNTOUCHABLE」に対して日本名の題名が「最強のふたり」ではしっくりこない。

「UNTOUCHABLE」は、「触れられないもの」「交わらないもの」といった意味があるから、恐らく原題は、全く異質の人間だからこそ作り出すことができる「愛の力」を表現しているのだと思う。それが「最強のふたり」では、アクション映画を想像してしまい「愛」とは正反対の印象を受けてしまう。


A 介護の現実を見せつけられたような気がする。

フィリップがプライベート・ジェット機を利用できるような大富豪だからこそ、次から次へと介護者を代えることができた。普通の人ではこうはならない。お金がなければ介護が成立しないという現実がある。


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