20年以上も前のこと、家を建てるにあたって資金の余裕がなかったので最も基本的な家の建築のみを建設業者に依頼し、外構工事、家具の作成などプラスアルファについては時間の余裕を見つけて自作することにしていた。
初期のころの記録はほとんどないが、写真がある範囲で家具や外構工事の記録をまとめた。
居間のテーブル 業者が伐採していた桜並木。
木工大好き人間としては何とも勿体なくて太さ約60pの桜を2本貰った。 製材所で10p厚にカットしてもらった後、自宅で約2年乾燥し、小型の製材機を自作して居間に置くテーブルを作成した。 幅:2m 奥行:1m 高さ:63p 重さ:40s 無垢材の天板は湿度によって伸縮するため縁材との間は溝を掘って嵌め込んである。
季節の変わり目の天板の伸縮を見て桜が生きていることを実感している。 縁は耳付き(皮を剥いだ木肌をそのままにする)にしてサクラ材の美しさを生かしてある。 |
【左】サイドテーブル 【右】マガジンラック |
額 手作業で、対の枠を全く同じ長さで、しかも角を45度に正確に切るのはとても難しいが、補助具 (治具という) を作って工夫している。 素材はヒノキが多いが、大きな額の場合は軽くするために桐材を貼り合わせたり、地震対策のためガラスを使用せず透明エンビ板をはめている。 |
衝立 居間と食堂の間の目隠し用に作成した。格子組みはサクラの角材を、重ね合わせではなく、縦横の材に交互に切欠きを打って嵌め込んだ。 |
文机 木象嵌や寄木細工も面白いが、多種類の木や道具をそろえる必要があるので初歩的なことだけを体験した。 |
【左】大型の書庫 【右】書類棚 |
【左】文庫本用書棚 【右】木組みの状況 パイン材で作った幅85p、高さ1.8m、奥行14pの平たい文庫本専用の本立て。江戸指物を真似て釘やネジを使わずに接合部の内側にホゾを加工して接着剤で貼りつけてある。 接合部を綺麗に見せるため、棚板の誤差を0.5ミリ以内に収めた。 |
サイドボード
子供部屋に置いていた2台の書棚。子供たちが自立して使わなくなったし、縦長では地震の際に転倒する危険が高いので真中で切断して2組のサイドボードに改修した。 上部には厚手の天板を置いたのでとても見栄えが良くなった。 |
【左】姿見 【右】傘立て |
内ドア 木枠にすだれと防虫用のネットを嵌め込んでいる。約1畳分の木枠を全く平面に組み立てることに苦労した。 右の写真は外観、左は玄関内側から見た状況、風の通り具合が想像できる。 |
食器棚 市販の食器棚は奥行が40p以上のものが多く、食器を前後2列に入れると使い勝手がよくないので、奥行が浅く、かつ台所の置く場所に合わせた大きさの食器棚をヒノキで作成した。 幅:95p 高さ:180p 奥行:25p 地震対策として、扉の枠に鍵を仕組んで地震の揺れでは開かないようにした。 【注】 大量のヒノキの間伐材を貰い、数年乾燥させた後、小型製材機で製材して多くの家具類の作成に利用した。 |
階段の隙間を利用した収納庫 【左】 階段下の縦90p 横70p 奥行90pの空間に3段の引出しを作り、調理用の小物や乾物を収納 【右】 階段横の縦1.8m 横45pの空間に台所用品の倉庫を作った。底にガイドをつけたので周囲を傷つけずに出し入れができる。 |
流し台下収納 基本タイプのキッチンなので元は空洞だったが、アルミ材と安価な戸車を工夫して引出しをつけた。 ポイントは、アルミ材の内径が戸車の直径より若干大きいことで、引出しの出具合によって手前の戸車を起点に上下いずれかで支えることができる。 |
【左】 冷蔵庫と流し台の隙間に幅35pの引出し式の棚を設置。底にはガイドを作って冷蔵庫などに傷をつけないようにした。 【右】 廊下の押し入れに引出し式の雑貨用収納具を作った。奥に入れたものも軽易に取り出せる。 |
【左】 室内での物干しを避けるため、廊下のコーナーの天井に手すりを逆さまに付けて雨天時の物干場にした。 【右】 大型の洗面台鏡を作った。木の枠には木彫を施した。 |