人生の余り道  (吹矢を楽しむ)

第11回青柳杯に参加して

7月6日、墨田区総合体育館で第11回青柳杯が、全国から三段以上の高段者約700名(男性約500名、女性約200名)の選手が参加して行われた。九州地方は集中豪雨だったけど福岡県や大分県などから、更にはハワイからも参加者があった。


第11回青柳杯

写真はほぼ四分の一の競技風景で、これが左にもう一つあって50人が、向かい側に対面するように二面で、合計100名が同時に競技している。1ラウンド35点満点の6ラウンドの合計210点満点で予選が行われ、男女別に上位8名が決勝トーナメントに進む。

今年は1ラウンド毎に男女とも50位までが掲示され、競技者の臨場感が増して面白かった。


私は、第1ラウンドは31点で掲示に載らず今回もダメかなぁと思ったが、第2ラウンドは満点で下のほうに名前が載り、第3ラウンドは33点で名簿の中ほどに上がった。ここで昼食休憩。午後になると調子を落とす人が多い中で、私はいつも調子が変わらないので「もしかしたら」とやる気になった。


午後最初の第4ラウンドは満点で10番手ぐらいに、第5ラウンドは33点をとり3位に、あとはミスしないように「落ち着け、落ち着け」と自分に言い聞かせながら最後のラウンドに臨み、ほぼ中央に5本とも重なるように中って満点。結局202点で予選を第1位で通過した。


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決勝トーナメントはやはり緊張する。手の汗を拭きながら深呼吸して準々決勝は8位の人と対戦、31点だったが相手が29点だったので勝ちを拾う。準決勝から基本動作点40点が加わるが、準決勝もなんとか勝って決勝に進出した。決勝は得点は33点で同点だったが、基本動作点が34点に対して相手は満点の40点。負けた。


自分ではこんなに大差がつくとは思わなかったが、採点結果が公表されないのでわからない。付近で観戦していた知人に聞くと、「筒を下げる動作が1秒早かった」「礼の角度が小さかった」と言われた。これほどの点差になったのだから、自分では気づかない個癖があるのだろう。残念だけど初心に返ってまたやり直そう。


今回の1ラウンド毎の結果発表の試合では、6ラウンドの中にドラマがあって自分にとっては面白かった。

収穫もあった。

アーチェリーの銀メダリスト古川高春さんが以前テレビで、アーチェリーの極意は「再現性」にあると話していた。古川選手が射た3本の矢のフォームを重ねた時に、動作もタイミングも全く一致して1回の射のようになっていた。中る射の形が完全に身についているのだ。そして「僕の頭の中を教えても、理解できる人はいない」「僕は努力する才能はある」と話していたのが、とても印象に残っている。


吹矢の原理は簡単で「同じところを狙って」「同じ力で吹けば」中る(はずだ)。吹矢では時速150キロ以上で矢を飛ばすのだから吹く瞬間に体が動いてしまうが、それでも狙いが狂わない方法と、呼気という微妙な「人力」であっても常に「同じ力」を出すという2つの方法について「再現性」を体得しなければならない。それは古川選手の言うように、人から教えられて身に付くものではなく、努力を積み重ねて実現するしかないと思う。


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